■ 水虫の基礎知識

水虫は「白癬菌(はくせんきん)」という真菌(カビ)が原因で起こる感染症の一種です。

白癬菌は、皮膚の角質の成分であるケラチンを好みケラチナーゼという酵素でケラチンを溶かし、栄養源にして角質層に寄生しています。また、水虫はほかのカビと同様に高温多湿を好みますので、ジメジメして蒸し暑い梅雨時期から夏場にかけて、白癬菌の活動の最盛期を迎えます。

また靴や靴下を長時間履き続けていると、皮膚が汗ばみ蒸れた状態になります。女性は特に長いブーツを履いているのでこの時期水虫を気にされる方が多くなります。そのような皮膚は、白癬菌にとって格好の住み家となってしまいます。

水虫といえば中年男性、いわゆる「お父さん」の代名詞のような病気でしたが、いまでは女性、特に女子高生などの若い女性にも水虫患者の増加がみられるようです。

◇ 水虫の患者数

数年前、全国の皮膚科専門医に対して、皮膚科を受診した全国20,000人以上の患者さんについてある調査が実施されました。

その結果、水虫患者は全国で人口の20%、つまり2,500万人もの水虫感染者がいることが分かりました。さらに、治療に通っていない潜在的な水虫患者まで入れると、さらに多くの患者がいると推計され、なんと、4人に1人は水虫に悩んでいる計算になります。

◇ 水虫感染について

白癬菌の感染力は、それほど強力ではありませんので、空気感染や直接接触による感染はほとんどないと考えられています。

水虫感染のほとんどは、水虫患者が落とした患部の皮膚や垢などが、他の人の皮膚に付着することで感染しますので、複数の人が使うバスルームの足ふきマットやスリッパなど湿った暖かい場所は特に要注意と言えます。この白癬菌は垢の中では長期間にわたり生存可能なのです。

しかし、皮膚に付いたからといって必ず水虫に感染するわけではありません。この垢は足が乾燥していれば皮膚から剥がれ落ちてしまいますし、皮膚に付いた白癬菌も2〜3日潜伏したあと、その皮膚の環境がよければ寄生して発病するわけです。

白癬菌は付着しても24時間以内に洗い流せば感染・寄生はしません。

● 家族内感染

日本では家の中では靴を履く習慣がないため、多くの方が素足で生活しています。つまり、家族の中に水虫の人がいると、家の中で感染する機会が増えてしまうことになります。日本人の水虫の多くは、家族内感染であるということができます。

家にいるときは裸足が良いといわれていますが、衛生面・家族への感染を考えますと、裸足よりも蒸れない靴下の方が効果的と思われます。家族への感染は防ぎたいですね。

● ペットからの感染

家で飼っているペットなどから、水虫が人間にうつってしまうということがあります。ペットに住みついている水虫菌は、動物好性菌と呼ばれ、ペットから人間が水虫をうつされてしまった場合、一般的な足の水虫ではなく、体部や頭部に感染する場合がほとんどです。

ペットが保菌している場合は、皮膚に湿疹状のものができたり、異常な脱毛が起こりますので、そのときは速やかに獣医の診察を受けるようにしたほうが良いでしょう。